アートフェスティバルとは

伊豆高原アートフェスティバルとは

豊かな自然環境を大切にし、その環境の中で暮らす住民のための文化祭

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「アートフェスティバル」という催しはいま全国各地で行われているが、現代美術の新しいウエーブを起こすための運動か、あるいは作家たちが自分たちの発表の場を増やすために地域住民に呼びかけたものが多い。そうでなければ、商業主義的なイベントや観光客誘致のための宣伝活動である。

だが伊豆高原アートフェスティバルは、そのどちらでもない。地元で暮らす人の自宅や別荘を主な会場とした手づくりの美術展で、目的は住民が自ら楽しむ文化活動であり、おたがいの親睦を深めるための催事というきわめてシンプルなものである。

プロでもアマチュアでも参加できる
玄関先でも物置でもいい
10点以上の作品と展示スペースがあればいい

このフェスティバルでは、「芸術」や「美術」を「作家」という特別の人だけがかかわるものではく、誰の中にでもあるアート感覚を表現する場として設定している。別の言い方をすればプロとアマチュアの垣根を取り払い、誰もが作家や展覧会の企画者、開催者になれる。つまり誰もが小さな文化の送り手になれる開かれたアートの祭典なのである。

アートフェスティバルが育むコミュニティ

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このアートフェスティバルのエリアは主に別荘地であるが、この二十年くらいの間に永住しはじめる人が増えている。都会などで定年を迎えた夫婦が、田舎暮らしや畑作り、ガーデニングなどに憧れ、この土地にやってくるのである。

ところが田舎暮らしをはじめててみると、自然環境はいいが、なかなか新しい人間関係ができにくく、淋しさを感じている人が結構多い。こういう人々にとってアートフェスティバルは、趣味の同好の士や茶飲み友達ができる格好な場でもあるのだ。

このような催事がなければ、縁もない他人の家を訪れる機会はないが、アートフェスティバルの展覧会をやっているホームギャラリーなら気がねなしに入っていける。そしてその家の人や他の客たちと気軽に話し合ううちに、友達になったというケースは少なくない。

運営委員会の考え方

「保養地」としての伊豆高原

私たちはアートフェスティバルを
<観光イベント>として運営してこなかった

最初の運営委員会で確認したことは、

予算以上のことは絶対にやらない

ということであった。もしこのアートフェスティバルが商業的な祭りであったり、営業活動であれば、ときには無理をしたり、賭けにでるということが必要になるかもしれないが、はじめから営利を目的としていないこのフェスティバルには、無理をするいわれはなく、例えば、百万円集まれば百万円のことを、一万円しかなければそれだけのことを考えればいいのである。

そして、自主企画・自主運営

これらの方針は今日まで変わっていない。

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第一回目は1993年

以降、
湯布院の文化活動家たちとのシンポジウムをはじめとして、津村喬氏、ツルネン・マルティ氏、筑紫哲也氏、田中康夫氏らの講演会や、他様々なワークショップ等を実施。

2012年には第二十回記念として、岡野元勝絵画展を開催。(岡野氏は、生涯この伊豆高原の八幡野港を描き続けた、稀有の画家)

新緑の五月はアートフェスティバル
今年はいよいよ25回目!

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※ このページの文章は、宮迫千鶴:編「半島暮らし」より抜粋した谷川晃一の言葉を基にしてまとめたものです